◆◆ ひろしまを元気に ―― 声のかけあい通信を目指しています ◆◆

 ※このメールはHTML形式でお届けします。オンラインでご覧いただくことを推奨します。
 ※毎週金曜日配信 2002年8月16日 第11号
経済論評
『「食」の環境変化と水産物卸売市場』
増岡 洋 広島地域社会研究センター 常務理事


 私達は、魚を生であるいは焼く、煮る、揚げるなど様々な方法で料理し、それが季節感と結びついて独特な食文化を育ててきた。また、好みに地域性のあるのが魚の特色で、これは今も昔も変わらない。食卓を通して味覚が親から子へと伝えられるのである。
 このように身近な魚の流通拠点が水産物卸売市場である。広島市場は商工センターの一角にあり、売上規模は全国14位の消費地市場であるが、情報ネットワークシステム、資金決済システム、共同配送網の充実ぶりは業界トップクラスで見学者が絶えない。
 卸売市場の特色の1つがセリ取引。威勢のよいかけ声がとびかい、市場ならではの賑わいを感じさせるあの取引である。ところが、広島市場でのセリ取引は全体の15%程度で、ほとんどが個々に取引交渉する相対取引に変わっており、早朝4時半にセリが始まる頃は、 すでに一仕事終えた雰囲気がただよっている。セリ取引が減少した要因は、街の鮮魚小売店が減少し、スーパー等大型小売店が増加したことによる。これら大型店は、計画的な品揃えを基本としているので、仕入は予約発注となり、品揃えの安定性に欠けるセリ取引に 過度に依存できないという事情がある。
 特色の2つ目が市場内取引の多段階性。市場内に卸が2つの形態で存在するのである。すなわち産地から仕入(集荷)を行う卸売業者と、それを小売業者向けに品揃え小分け(分荷)する仲卸業者が事業を営んでいる。これは取引が、卸業者と仲卸業者のセリによって 行われることに端を発しており、セリ取引が大幅に減少した現在でもこの「しくみ」は維持されている。一見非効率な「しくみ」のように見えるが、水ぬれし、形状が不統一でしかも鮮度低下が著しい商品を、季節に応じ迅速に全国各地から集荷し、顧客に届けるには それぞれ専門特化した業者が競合の中で担うことが他の方法に比べて効率的なためである。ただし様々な環境変化の中でこのシステムが永続する保障はなく、新たな模索が始まっている。
 水産物卸売市場は、鮮魚を中心とした魚介類を効率的に取引する「場」として発展してきたが、「食」をめぐる環境は最近大きく変化している。
 第1は「食」の安全性について、消費者から厳しい眼が注がれていることである。水産物は直接的には小売店に対するものであるが、遠からず上流にさかのぼって卸売市場及び配送段階での安全管理が一層問われるはずである。魅力ある卸売市場づくりのためにも 安全性の向上について関係卸業者の早期の取組みが求められる。
 第2は「食」が情報化・ブランド化していることである。最近の消費者は、「どこで」「だれが」「どのようにして」収穫したかを以前にも増して気にするようになった。付け加えるならば、流通過程で商品がどう取扱われているかである。卸売市場は「モノ」 の流通拠点と同時に食にまつわる様々な「情報」の拠点を目指すべきであるが、この点やや弱い。長い間培ってきた経営資源と情報ネットワークを生かした拠点づくりが期待される。キーワードは「安全」と「情報」である。

経済長編読物
 『家電店、西日本で再編加速 関東勢が進出』(8月14日(水))

 家電製品の価格競争激化を背景に、量販店の再編や淘汰(とうた)が加速している。特に西日本ではここ数年、関東の家電量販店が次々と進出。 これに対し、地元勢はメーカーとも協力して独自商品の開発などで業務提携を結ぶなど、生き残りをかけた対抗策を模索している。
 ▽老舗が破たん
 今年1月、兵庫県を中心に店舗展開する星電社(神戸市)が、約280億円の負債を抱え、民事再生法の適用を神戸地裁に申請した。
 星電社は1945年創業の老舗家電量販店。かつて全国上位の売上高を誇り、特に阪神間では知名度も高かっただけに、地元神戸は衝撃を受けた。
 破たんは、阪神大震災で三宮本店が倒壊するなど、100億円以上損害が出たのが主な原因。さらに、97年以降、コジマ(宇都宮市)やヤマダ電機(前橋市)が、 兵庫県内で出店攻勢を掛けたのも追い打ちをかけた。
 経営不振に陥る家電量販店は、今年に入り、安売りを前面に出した新興勢力の攻勢で、2月にそうご電器(札幌市)、 4月に第一家庭電器(東京)が経営破たんするなど、淘汰の動きが目立つ。
 ▽巨艦店が進出
 昨年11月、JR大阪駅前にヨドバシカメラ(東京)の関西進出1号店「マルチメディア梅田」がオープンした。
 売り場面積は2万m2で、家電量販店では西日本最大。滋賀県大津市から兵庫県姫路市までの客を見込み、年間売上高500億円を目標にスタート。 地の利を生かし、目標を上回る700億円に達する勢いだ。
 これで軒並み大打撃を受けたのは、大阪・日本橋の電気街。中堅家電量販店のマツヤデンキ(大阪市)では「昨年11月以降、日本橋エリアの売上高が30%減」 (平井真夫社長)となり、日本橋にある4店舗のうち不採算の1店舗を閉店。関西地盤の大手家電量販店、上新電機(大阪市)も苦戦。 今年3月期連結決算の当期純損失は126億円となった。
 こうした中、昨年9月、和光電気(大阪市)がヤマダ電機と大型店舗を運営する共同出資会社を設立。 同10月、中川無線電機(大阪府吹田市)が、子会社でディスカウントストアを経営する、プリント配線基板のキョウデン(長野県箕輪町)の傘下入りするなど、 中堅家電量販店を中心に再編の動きが活発化している。
 ▽独自商品に活路
 過熱する価格競争に対し、独自商品をてこに経営基盤を強化しようと、一線を画す家電量販店のグループが現れた。
 独自商品は、メーカーの規格品に、家電量販店が機能や色などを追加するよう注文し、5千―1万個単位で買い取る。メーカーのブランドはそのままで、 消費者に違いを強調できる上、利益率が規格品より0.5―5ポイント高い。その一方で買い取りのため、大量在庫を抱えるリスクが伴う。
 こうした事情から誕生したのが、西日本の大手家電量販店の5社連合だ。
 3月末に持ち株会社エディオン(東京)を設立した、エイデン(名古屋市)とデオデオ(広島市)を軸に、昨年11月、上新電機とミドリ電化(兵庫県尼崎市) の4社が独自商品の開発などで業務提携。さらに、今年2月にはベスト電器(福岡市)も加わった。
 この中にはヤマダ電機と価格競争の末、人件費など経費を圧縮できずに、かえって業績を悪化させた手痛い経験を持つ会社もある。 このため、「安易な価格競争には走らず、独自商品の割合を3割まで上げ、利益率を向上させる」(岡嶋昇一エディオン社長)ことを優先していく考えだ。
会員からの情報 メディアクラブ会員だより
広島の景気観測 速報(平成14年7月分・広島商工会議所)

人事・訃報 8月9日(金)〜8月15日(木)
中国新聞掲載分
人事(8月9日(金)〜8月15日(木)・中国新聞掲載分)

経済人おくやみ(8月9日(金)〜8月15日(木)・中国新聞掲載分)

ニュースダイジェスト 8月9日(金)〜8月15日(木)分
経済ニュースダイジェスト(8月9日(金)〜8月15日(木))

地域ニュースダイジェスト(8月9日(金)〜8月15日(木))

プレゼント 図書券(2000円分)を5人に!
今月のプレゼント!抽選で5人に図書券(2000円分)をプレゼント
 応募はこちらでどうぞ

■当メールマガジンは中国新聞メディアクラブ会員に向けて配信しています。
■当メールマガジンの購読中止やメールアドレスの変更はこちらからお願いします。
< Home page > http://www.media-club.jp/
< E-mail > info@media-club.jp

編集・発行人:野坂 忠守・中国新聞メディアクラブ事務局
発   行  :中国新聞社
中国新聞情報文化センター
〒730-0854 広島市中区土橋町7番1号・TEL.082-291-8948
C-mailに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。