◆◆ ひろしまを元気に ―― 声のかけあい通信を目指しています ◆◆

 ※このメールはHTML形式でお届けします。オンラインでご覧いただくことを推奨します。
 ※毎週金曜日配信 2005年4月28日 第149号
経済論評
『価値創造能力の強化が求められる自動車部品産業』
 目代 武史 広島大学地域経済システム研究センター・助手


 昨年12月の火災事故から4カ月半ぶりにマツダ社の宇品第一工場塗装ラインが全面再開する。火災事故にもかかわらず、同社の2004年度の国内販売台数は28万6000台余りと前年度を2.4%上回った。好調なマツダの業績に牽引されて、広島地域の自動車部品産業の足元の景気は回復基調にある。
 だが、中長期的に見ると、広島の自動車部品産業には課題も多い。そこで小稿では、価値創造能力の観点から同地域の部品メーカーの競争力強化について考察してみたい。
 いま自動車業界で進行中の環境変化に、部品モジュール化とエレクトロニクス化がある。
 最近、モジュール化の概念は一般にも知られるようになってきた。本来、モジュール化とは、モジュールといわれる複合部品に完結した機能を持たせ、モジュール間のインターフェースを標準化するように製品を設計することを意味する。モジュールの組み合せが容易になるために、低コストで多様な製品機能を実現できる点にメリットがある。コンピューター業界などで発達し、自転車や工作機械などでも同様の方式がよく採用されている。
 ところが、自動車業界でいう部品モジュール化は、これとは少し違った意味合いで使われている。自動車におけるモジュール部品とは、多くの場合、サブラインであらかじめ組み立てたモジュール(部品ユニット)をメインラインで組み付けることにより完成車を生産する方式を意味する。サブラインを有効活用することにより、組立工数の削減、作業姿勢の改善、組立リードタイムの短縮などのメリットが生じる。
 もう一つの環境変化は、クルマのエレクトロニクス化の進行である。コンサルティング会社のローランド・ベルガー社によると、今後、自動車におけるイノベーションの90%はエレクトロニクスが牽引すると見られている。また、製造コストに占めるエレクトロニクスの比重も高まっていく。1997年ごろには製造コストの22%程度であったものが、2010年には33〜40%を占めると予想されている。
 ところが、広島地域のエレクトロニクス関連技術の集積は必ずしも十分ではない。むしろ不足している。モジュール部品の開発においても、エレクトロニクス技術はますます重要な位置を占めている。モジュール部品自体は、物流効率の関係で、自動車メーカーの組立工場の近くで生産されることが多いため、地域での生産量増大に貢献する。しかし、付加価値の多くを占めるエレクトロニクス技術の集積が薄ければ、付加価値の多くが広島を素通りし、域外に流出してしまう。
 そのため、広島地域の部品メーカーには、エレクトロニクス技術吸収のため、域内外の同業種・異業種との企業間連携が必要である。とくに重要なのは、エレクトロニクスやソフトウエアなどの融合領域での連携である。その鍵となるのは、異なる領域の技術を発見し、評価し、吸収する技術的能力に加え、設計や生産、物流などにおいて企業間関係を調整するマネジメント能力の強化である。今後、広島の部品産業のものづくり競争力向上のためには、こうした融合領域での企業連携を促進・強化する企業努力や支援政策が重要である。
 また、部品メーカーが付加価値を取り込むためには、設計面でのモジュール化の取り組みも強化が必要である。現状では、モジュール部品は、車種に固有な設計となっており、車種に応じて設計作業を行っている。しかし、設計レベルでのモジュール化が実現すれば、部品メーカーは、共通の部品や設備を使って、自動車メーカーの要求に応えることが容易になり、設計期間の短縮や大幅なコスト削減が見込める。これには、社内における設計標準作りなどの地道な作業に加え、自動車メーカーなどとの部品共通化・標準化をめぐる厳しい折衝が必要である。その実現は容易ではないが、それだけに他社に先駆けて実現すれば、それは大きな競争優位の源となるだろう。

【プロフィール】 目代 武史(もくだい たけふみ)
2001年 広島大学大学院国際協力研究科 博士(学術)取得
2002年〜 広島大学経済学部附属地域経済システム研究センター 助手
2004年〜 広島大学大学院社会科学研究科附属地域経済システム研究センター 助手
専門分野:技術開発論、経営戦略論、自動車産業論
経済長編読物
『消費者との対話最重視 米国産牛肉の輸入再開』(4月27日(水))

 牛海綿状脳症(BSE)対策に関する米政府の調査チームを率いて来日中のチャールズ・ランバート米農務省副次官に、米国産牛肉の安全性などについて聞いた。
 ―来日の目的は。
 「牛肉貿易を再開できないことでいら立ちが強まり、対日経済制裁決議案が米議会に提出された。われわれはそれを望んでおらず、日本側と対話し、情報を提供して牛肉の貿易再開の手続きを促進したい。BSE関連のすべての分野の専門家が同行しており、日本の消費者と意思疎通したい」
 ―自治体は自主的な全頭検査を続ける見込みだ。消費者の信頼を得るためにどうするのか。
 「消費者と幅の広い議論をしている。彼らの反応はさまざまだが、(BSE検査済みなら)買うとか買わないかは消費者が決めることだ。米政府は、米国産牛肉を供給する機会を求めている。(カナダ産の感染牛が1頭見つかったが)米国ではBSEは発生していない。BSEの感染監視を強化し、30万頭以上を検査したがすべてシロだった。こうした事実を示したい」
 ―日本との政府間協議の進展状況は。
 「十分すぎるほどの情報を提供している。牛の肉質や骨格の形成状況で生後何カ月かを判定する手法について今年1月に説明したが、生後20カ月以下であることを証明する上で追加的な情報を求められた。(今回)若い牛のサンプルを増やすため約440件の牛について、追加情報を出した。(生後12―17カ月に相当するとされる)A40という格付けだと最も老齢の牛でも生後17カ月だった」
 ―来月、日本の調査団が訪米するが。「技術的な議論は終了している。5月の訪米団は、肉質による月齢判定や、脳など特定危険部位が確実に除去されているかを監査するのが狙いだ。米政府が説明したことについて、(日本側が)自分たちの目で見て、内閣府の食品安全委員会に報告することになるだろう」
会員からの情報 メディアクラブ会員だより
会員情報リンク集・・・リンク希望の会員社はメールにてお知らせください。
人事・訃報 4月22日(金)〜4月28日(木)
中国新聞掲載分
人事(4月22日(金)〜4月28日(木)・中国新聞掲載分)

経済人おくやみ(4月22日(金)〜4月28日(木)・中国新聞掲載分)

ニュースダイジェスト 4月22日(金)〜4月28日(木)分
経済ニュースダイジェスト(4月22日(金)〜4月28日(木))

地域ニュースダイジェスト(4月22日(金)〜4月28日(木))

プレゼント 図書カード(2000円分)を5人に!
今月のプレゼント!抽選で5人に図書カード(2000円分)をプレゼント
 応募はこちらでどうぞ

■当メールマガジンの購読中止やメールアドレスの変更はこちらからお願いします。
< Home page > http://www.media-club.jp/
< E-mail > info@media-club.jp

編集・発行人:阿部 克孝・中国新聞メディアクラブ事務局
発   行  :中国新聞社
中国新聞情報文化センター
〒730-0854 広島市中区土橋町7番1号・TEL.082-291-8948
C-mailに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。