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 ※毎週金曜日配信 2006年11月24日 第229号
経済論評
『動き始めた交流・定住促進事業』
 山本 智子 財団法人ひろぎん経済研究所 研究員


■交流・定住促進事業とは
 近年、加速する人口減少と、それに伴う地域活力の低下への対応策として、団塊世代の「交流・定住促進事業」が注目されている。各地方自治体は、「定住」や「都市と地方との二地域居住」を促すべく、長期滞在型観光ツアー(ロングステイ型観光)や、大都市でのPRイベントの開催などに注力している。
 また、住宅・不動産関連事業などの民間企業が専門分野を生かして、交流・定住促進事業の継続性を一層高めるために、自治体と民間が連携した協議会を立ち上げる動きも見られる。
■大都市圏の団塊世代
 団塊世代(1947〜1949年生まれ)の人口は東京圏183万人、中京圏81万人、関西圏118万人と、他の世代に比べ突出して多い(総務省「国勢調査」)。
 広島県の「定住・交流に関するアンケート調査」(対象:東京・中部・近畿・京都及び姫路の各広島県県人会会員)によると、団塊世代の約40%、そして30歳〜40歳代の約45%以上が、U・J・Iターンや二地域居住などの移住を考えている。
 中国地方の各自治体でも、このように人口規模の大きい団塊世代をメーンターゲットとして、移住を検討するための長期滞在型観光ツアーを実施している。
■中国地方の取り組み状況
 広島県は、自治体と民間団体から構成される「広島県交流・定住促進協議会」を設置し、ロングステイ観光事業の実施や、大都市圏でのPR活動を行っている。ロングステイ事業の一つとして、呉市では、10月に観光や移住者との意見交換会を行うツアーを実施した。関西で全国紙に掲載され申し込みが急増しキャンセル待ちが発生する人気ぶりで、このツアーへの参加者の満足度は高く、1組が定住を希望し、6組が空き家バンクに登録した。
 島根県は、財団法人ふるさと島根定住財団が相談窓口を設置し、職業紹介や住宅確保の支援、農業研修等を行っている。移住を検討してもらうため、農林漁業の体験を中心とした12回(平成18年度)の「しまね暮らし体験ツアー」を実施し、1回のツアーに10名〜20名の参加があり、これを機とした移住者も出ている。
 山口県は、滞在型ツアーや山口大学との連携によるシニアサマーカレッジの開催等を行っている。10月に実施された「やまぐち里山体験ツアー」には広島や福岡から9名が参加し、移住のきっかけづくりとして好評だった。12月には財団法人やまぐち農林振興公社が定年帰農者を対象とした「就農現地見学バスツアー」を計画している。
■移住ビジネス創出の動き
 ロングステイ観光事業等の移住ビジネスの分野は、観光、不動産関連事業、職業紹介・人材派遣、情報提供・相談窓口、家事代行等の生活関連サービスなど多岐にわたる。
 広島経済同友会の「広島県を考える委員会」では、交流・定住事業に関するサービスを移住ビジネスとして行う民間連携事業「ひろしま移住促進応援隊(仮)」を立ち上げようとしている。
 同委員会では、連携事業の設立に向け、広島経済同友会の会員を対象にアンケートを行って参加意欲を調査し、さらに本年度中に関心を持つ企業を組織化して、県や市町村とも連携する予定で、新しいビジネスの創出が期待される。
経済長編読物
『冷凍薫煙処理めぐり対立 比、禁輸解除求め提訴も 』(11月22日(水))

 日本が消費者保護を理由に、マグロに薫煙を注入したフィリピン産の「冷凍スモークマグロ」の輸入を禁止していることに、フィリピン政府は「規制根拠があいまい」と解除を求めている。日本が同様の処理をした冷凍スモークハマチを米国に輸出していることが分かり不信は募る一方。フィリピン政府は、今後の日本の対応次第では世界貿易機関(WTO)提訴も辞さない構えだ。
 スモークマグロは、8%の一酸化炭素(CO)を含む薫煙を注入する独自の処理法を使い、家庭冷蔵庫の冷凍室温度のマイナス18度で保存できる。冷凍中はマグロの売り物である赤い色が変わらないことが特長。薫煙の味はしない。
 通常の刺し身マグロの冷凍に使われるマイナス60度という超低温に比べエネルギーが大幅に節約できる上、切り身にして冷凍するため、まるごと1匹冷凍するよりも輸送費が削減できる。フィリピン南部のマグロの一大集積地、ジェネラルサントスを中心に製造が盛んだ。
 ところが、マグロ消費大国、日本への輸出開始直後の1997年、日本の厚生省(当時)は「消費者に鮮度の判断を誤らせる」との理由で輸入を禁止した。当時、日本では100%の一酸化炭素(CO)を注入、解凍後に鮮度が落ちても鮮やかな赤色が変わらない「COマグロ」が問題化していた。薫煙にCOが含まれているとの理由でCOマグロもスモークマグロも一律に禁止された。
 フィリピン側は(1)スモークマグロは薫煙を使用しても解凍後に魚肉の色が変化し、消費者を惑わすことはない(2)米国では受け入れられている―などと主張。今年8月にはファビラ貿易産業相が二階俊博経済産業相(当時)に禁輸解除を求めたが、日本側は応じようとしない。
 こうした中、日本の業者がスモークハマチを米国などに輸出、一部がフィリピンにも出回っていることが分かり、フィリピン側は「日本は二重基準で不平等」と反発を強めている。
 厚生労働省食品安全部監視安全課は「スモークサーモンなどは薫煙で調理したものだが、スモークマグロは薫煙のCOが添加物として使われており食品衛生法違反」と説明、禁止の根拠が微妙に変わりつつある。スモークハマチについては「詳細は分からない」と話している。
経済サロン 中国新聞ビジネスインタビュー
『州都へ広島は気概を、岩国民間空港は悲願』
    柏原塗研工業代表取締役社長 柏原伸二氏
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