◆◆ ひろしまを元気に ―― 声のかけあい通信を目指しています ◆◆

 ※このメールはHTML形式でお届けします。オンラインでご覧いただくことを推奨します。
 ※毎週金曜日配信 2007年11月30日 第279号
経済論評
『製造業に学ぶサービス業の生産性向上』
 増岡 洋
 独立行政法人 中小企業基盤整備機構プロジェクトマネージャー


 生産性を意識しているサービス業経営者はまれといってよいだろう。生産性の代表的指標は労働生産性(付加価値/労働量)であるが、モノづくり企業においては分子に生産数・量などさまざまな指標を設け、現場レベルでも目標に対する達成度の確認と修正に活用している。サービス業においては産出に対してどの程度の労働量(人×時間)を投入すべきかあいまいで、サービス業とはこんなものというぬぐいがたい思い込みがあり、その結果は低生産性である。
 近年、わが国サービス業の役割の拡大(GDP、就業人口のそれぞれ7割)にもかかわらず、生産性の伸びが製造業や海外のサービス産業と比べて低くサービス業の生産性を向上させることが経済発展とって重要な課題であるとの声が高まっている。こうしたことから今年5月、サービス産業の生産性向上を実現するため産学官が連携する共通プラットフォームとして「サービス産業生産性協議会」が設立された。サービス業は若年の低賃金に頼る企業も多く、若年層減少のもとで大きな影響を受けるのは明らかで企業経営にとって生産性向上は重要課題である。
 生産性向上は分母に着目すると「効率化」、分子に着目すれば「付加価値向上」である。両面で成果を上げることが理想的であるが、「付加価値の向上」は新たなサービスの事業化(企画し顧客の支持が必要)がポイントで実現には時間を要す。これに対して「効率化」は社内の取り組みで実現可能で、顧客の支持という不確定要素は除かれる。したがって優先的課題としてまず分母の効率化に取り組むべきではないか。
 サービス業の生産性向上の先進事例は少なく手探り状態である。最も参考になるのは自動車業界で定着している「モノづくりの管理ノウハウ」ではなかろうか。「トヨタ生産方式」に代表される管理ノウハウ・原理原則に普遍性があることは、我々が中小サービス業支援で活用した実感である。事例を簡単に紹介したい。S社は建設コンサルティング会社で事業内容は測量、設計、地質・環境調査、社員数約70人である。支援テーマは公共工事削減のもと「業務効率化・生産性向上の仕組みづくりによる利益率改善」である。
 ポイントの一つが標準工数の設定である。非製造業では耳慣れない用語であるがその業務はどの程度の工数(人×時間)をかけるべきか標準値を決めることで当社は基本となる120業務の標準工数を決めた。この数字が見積、予算書、進捗管理の基盤となるもので、特に人件費比率の高い企業にとっては必須管理項目である。仕事にどれだけの時間をかけて期待する成果を出すのか、この基準なくして目標利益の達成は難しい。このほか「非付加価値業務の排除」、「問題点の見える化」に取り組んだ結果、プロジェクトメンバーを中心した自律的な改善意欲が高まり、6カ月後の粗利益率(完成業務高−原価)は4.2ポイント向上した。
 サービス業には、製造業のノウハウを応用できる分野と応用できない分野があることは事実である。しかし違いを強調するより共通点に着目して改革に取り組み、そこで生まれた余力時間で顧客接点を増やすことや新たなサービスの提供あるいは成果に結びつかない残業時間の削減等を実現することが、生産性向上の目的である。
経済長編読物
『半導体の“失敗”に禍根 三洋電機の成長戦略に』(11月28日(水))

 経営再建中の三洋電機の経営戦略はこれまでの縮小路線から一転、ばら色の成長戦略が並んだ。本来は売却するはずだった半導体も「継続事業」に。だが、曲折を経た半導体をめぐっては関係者の思惑はさまざまで、禍根を残したままだ。
<断念じゃない>
 「売れなかったのではなく、売らなかった」。10月17日、群馬県大泉町。三洋社長の佐野精一郎は子会社の三洋半導体の社員を前に力を込め、事業継続を宣言した。佐野はこの数日前、三洋半導体社長の田端輝夫に怒りをぶちまけられていた。「ふざけるな。どうして(契約を)まとめられないんだ」
 関係者の多くが交渉決裂の報に耳を疑った。半導体放出は2年前からの既定路線。今回の経営戦略策定でも売却は大前提で、事業継続への方針転換は、再建計画自体の見直しを意味したからだ。
 金融機関幹部は「大ショック。泣きたくなったよ」と振り返る。ある関係者は吐き捨てた。「売却“断念”じゃない。“失敗”だ」
<スケープゴート>
 いったんは10月1日に最終合意する予定だった売却交渉。米国の信用力が低い住宅融資(サブプライムローン)問題が直撃し、事態は一変した。資金集めが難航した投資ファンド側が示した買収額は、三洋の出資分を差し引くと実質的に数百億に過ぎず、約1000億円の簿価を大きく下回った。
 佐野が公約した「4年ぶりの(純損益の)黒字化」の達成に損失計上は許されなかった。最終局面では過去に入札を降りた半導体企業に事業パートナーとして協力を求める案も浮上。しかし、万策が尽きた。
 役員をはじめ三洋内部からは「だから、もっと早く売っておけば良かったんだ」と、恨み節が聞こえる。現経営陣の発足から半年が経過した今になって、創業家出身の井植敏雅ら前経営陣がスケープゴートに仕立て上げられた。
<約束>
 「これまで通り、製品の供給には問題ありませんので」。佐野は半導体の取引先に自ら足を運び、頭を下げた。27日の記者会見でも「3年間で100億円の売り上げ増を目指す」と言い切り、3年間の半導体継続を強調した。
 が、周囲の受け止め方は異なる。金融関係者は「リストラをして、来春から(売却に向け)仕切り直しだ」と断言。取締役会メンバーですら「売らざるを得ない」と漏らす。
 「約束が守れる会社」を掲げる佐野が約束を守り通せるのか。火種は残ったままで、再建に向けた三洋を揺さぶりかねない。(敬称略)

経済サロン 中国新聞ビジネスインタビュー
『漬物包装などの機械製造で発展し50周年』
    古川製作所代表取締役社長 古川雅章氏
会員からの情報 メディアクラブ会員だより
広島ガス発行 「ガスポ 2007 秋」から

会員情報リンク集・・・リンク希望の会員社はメールにてお知らせください。

人事情報 11月23日(金)〜11月29日(木)
中国新聞掲載分
人事(11月23日(金)〜11月29日(木)・中国新聞掲載分)
ニュースダイジェスト 11月23日(金)〜11月29日(木)分
経済ニュースダイジェスト(11月23日(金)〜11月29日(木))

地域ニュースダイジェスト(11月23日(金)〜11月29日(木))

プレゼント 図書カード(2000円分)を5人に!
今月のプレゼント!抽選で5人に図書カード(2000円分)をプレゼント
 応募はこちらでどうぞ

■当メールマガジンの購読中止やメールアドレスの変更はこちらからお願いします。
< Home page > http://www.media-club.jp/
< E-mail > info@media-club.jp

編集・発行人:阿部 克孝・中国新聞メディアクラブ事務局
発   行  :中国新聞社
中国新聞情報文化センター
〒730-0854 広島市中区土橋町7番1号・TEL.082-291-8948
C-mailに掲載された記事を許可なく転載することを禁じます。