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 ※毎週金曜日配信 2002年7月12日 第6号
経済論評
『まったなし!産学官連携』
村井 浩二 中国電力株式会社経済研究センター所長


 今年にはいって「産学官連携」という文字を新聞紙上で見ない日は無いといってもよいだろう。2月2日に広島市で開催された「中国地域産学官連携サミット」においては、 「中国地域発展のための産学官連携マスタープラン」が採択され、他地域に先駆けて、産学官連携共同研究の実用化件数、大学発ベンチャー創出件数、地域の産学官連携事業費の 3つについて高い数値目標を設定し、産学官一体となって取り組むこととなった。地域の産学官連携の推進体制が出来たわけで、今後、各地で開かれる 「産学官コラボレーション会議」等で活発な議論が交わされ、認識の異なる専門家が互いの強みを活かして一人ではできないものを協働して創りあげる コラボレーションの実が上がることを期待したい。
 去る7月3日、政府の知的財産戦略会議は「知的財産戦略大綱」を正式決定し、今秋の臨時国会にも知的財産基本法案が提出される運びとなった。 日本版バイ・ドール制度の拡充等により大学への知的財産権の帰属促進が図られ、産学官連携に弾みがつくことを望みたい。マサチューセッツ工科大学TLOのリタ・ネルソン所長は、 「1980年に、バイ・ドール法が制定されてから米国において産学官連携が急速に進展したが、日本の状況は20年前の米国と同じだ」といわれるが、20年も遅れたと嘆くことはない。 何しろ、我が国は物事を決めるまでは時間がかかるものの、一旦事が決まりさえすれば目標に向かって邁進するお国柄だから、20年の遅れなどすぐに取り戻すであろう。
 ところで、6月26日、広島経済同友会・中国経済産業局・広島大学の共催で上海交通大学・上海市環境保護局・上海の企業経営者を招いて「広島・上海環境フォーラム」が開催された。 上海市との環境技術交流とビジネス交流の可能性について活発な意見交換が行われたが、急速な経済発展に伴う環境汚染対策を推進している上海市に対して、 地元企業が有する多くの環境技術がお役に立てる、換言すると、ビジネスチャンスの芽が多くあると実感するとともに、今回のフォーラムが広島と上海との国際的な産学官の 協働体制構築のきっかけとなるであろうと確信した。また、参加された上海交通大学の先生の話では、上海交通大学の役割は教育と産業の2つだそうで、8年位前から、 大学が株式会社(東証1部上場に匹敵)とその子会社を数多く設立しており、今では約200人を超える先生方がそれらの企業の経営者として活躍中だそうである。 是非とも産学連携の先輩格の上海交通大学を訪問し、実情をこの目で確かめたいと思った1日であった。

経済長編読物
 『問われる米国経営 不祥事続出で』(7月10日(水))

 米国市場では、企業スキャンダルの続出で、会計不信の拡大が止まらないが、巨額の役員報酬や決算の在り方など、好景気下で見過ごされていた問題があらためて問い直されている。
 不祥事を起こした企業が厳しい批判を集めている要因のひとつが、経営者の並外れた高収入だ。破たんしたエネルギー大手エンロンのレイ前会長の場合、年間6700万ドル(約80億円)以上を稼ぎ、ワールドコムのエバーズ前会長も同3450万ドル(約41億円)の高給を得ていた。
 米上院政府活動委員会の報告書によると、エンロンの経営をチェックする立場にあった社外取締役が、年間報酬とは別に、高額の「助言料」などを受け取っていたことが判明。「お目付け役」が機能しない実態を浮き彫りにした。

 3カ月に1度の企業決算の発表の在り方にも反省が出ている。90年代には、通信網など巨大な設備を擁するワールドコムのような大手通信会社や、合併・買収を繰り返して大型化した企業の実力を示すため、通常の純利益でなく、設備の減価や合併企業ののれん代の償却費用を差し引く前の「実質利益(EBITDA)」に注目が集まった。
 しかし、ワールドコムやエンロンの会計操作で露呈したのは、投資家が「実質」に注目するあまり、企業の過剰設備や性急な買収のリスクに注意が行き届かず、結果的に経営陣の暴走を許した事実だ。
 電子商取引企業のUSAインタラクティブのように、EBITDAを指標として使わないことを表明する企業も出て来た。

 企業会計の客観性を保証する立場にある監査法人も、エンロンの不正に大手会計事務所アンダーセンが関与した疑いが出て信用が失墜した。
 監査法人のチェックは、業界内での相互監視に任されていたが、新たな監督機関をつくる改革案が出ている。ただ、上下両院と、米証券取引委員会(SEC)案の3案が乱立。特にSEC案には、業界出身者が監督機関の委員になれる道を残した「生ぬるい内容だ」との批判が強い。
 SECのピット委員長が大手会計事務所の顧問弁護士を務めていた経歴があることから、米議会内で委員長の辞任を求める声が強まるなど政治的な問題にもなっており、信用回復への道は簡単ではなさそうだ。
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広島の景気観測 速報(平成14年6月分・広島商工会議所)

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