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 ※毎週金曜日配信 2003年10月3日 第69号
経済論評
『元気印の中小企業』
 齋宮 正憲 中国電力(株)経済研究センター理事 所長


 最近元気の良い中小企業の話題が目立つ。製造業における中小企業の付加価値額は、この十数年来60〜70兆円、 シェア60%程度で安定的に推移しており、総体的に見た場合は顕著な変化は現れていないように見えるが、 元気な中小企業の話題が増え、中小企業こそ日本経済再生の救世主のようなとらえ方をする人までいる。 新聞や経済誌でもシリーズで元気印の企業を取り上げているところがある。特に中国電力発行の「碧い風」 ではこの事実をキーコンセプトとして、地域に活力を与える中小企業やその経営者を毎号取り上げている。
 我々中高年の世代では、「中小企業とは、日本経済の二重構造の代名詞」であり、遅れた日本の象徴と学校の授業で習った。 それが、日本経済の変質とともに中小企業は、「日本経済の二重構造下での非近代的な存在」から「中小企業の柔軟性・ 創造性・機動性が日本経済の発展と活力の源泉」とまで言われるように変化してきた。その実、下請中小企業比率(製造業全体)は 1980年の65%から、1998年には48%低下している。「ケイレツ」は、国際語になったが、このような関係は徐々に解消されてきており、 系列外の取引に活路を見いだすところが増加傾向にある。
 このような中小企業の存在意義の変化を踏まえ、「中小企業法」も1999年12月、次のように改正された。
〈基本理念〉:(旧)「大企業と中小企業との間における諸格差の是正」
→(新)「独立した多様で活力ある中小企業の育成と成長」
〈政策体系〉:(旧)「中小企業構造の高度化」→(新)「経営革新・創業の促進」
:(旧)「事業活動の不利な条件の改善と補正」
→(新)「経営基盤強化(経営資源の充実)」
:(旧)「環境変化への適応」→(新)「環境激変への適応円滑化」
:(旧)「保護政策」→(新)「市場原理政策」
 さて、確かに元気で活力あふれる中小企業が目立つわけであるが、そこに至るまでの発展・成長パターンを類別化すると、 (もちろんこのことは中小企業にのみ限定適用されるものではないが)
(1)ニッチ部門に特化 (2)既存または新規開発した独自技術が社会の技術革新にマッチ (3)成熟産業に最後まで生き残り、唯一のメーカー化を達成  に収れんできると考えられる。いずれもオンリーワン企業に近い形態を目指しているとも言えるのではなかろうか。
 これら元気印の企業・経営者に、悶々とした今の社会気分を払拭することを期待したい。
経済長編読物
『捕鯨の本格再開に期待 輸入せぬ日本にいら立ちも』(10月1日(水))

 クジラ保護を求める国際世論の逆風の中、調査捕鯨を14年ぶりに再開したアイスランド。水産物が輸出の3分の2を占める漁業国として、日本への輸出を視野に本格的な捕鯨再開を期待するが、輸入をためらう日本にいら立ちの声も聞こえる。
 首都レイキャビク市街に近いふ頭。沖に出てクジラを眺めるホエールウオッチングの観光船が並ぶ。
 ビクニールさん(49)は観光船の経営を始めて4年目。「当初は年間2000人だった乗客がことしは1万5000人まで増え、ようやく開業時の借金の半分を返済した。調査捕鯨への反対から、外国人客が減るのが心配だ」と顔を曇らす。
 クジラ観光の10社でつくるホエールウオッチング協会によると、乗船者数は1995年の2200人から2002年には6万2000人へと急増。協会は調査捕鯨が観光産業に悪影響を及ぼすとして反対を表明した。
 しかし、世界有数の漁場に位置し、漁業が基幹産業であるアイスランドでは、世論調査で捕鯨賛成が常に7、8割を占める。「鯨が魚をどれだけ食べているかの調査が不可欠」という政府の説明が広く受け入れられている。
 アイスランドは国際捕鯨委員会(IWC)の捕鯨禁止措置に反発して92年に脱退したが、捕鯨再開をにらんで2002年に再加盟した。今回の調査捕鯨は8月中旬から9月末までに計38頭のミンククジラを捕獲する計画。長期的には商業捕鯨を再開し、他の魚類と同様に大市場の日本に輸出するのが目標だ。
 ただ、ことし6月のIWC総会は鯨類の保存強化委員会設立を決議、捕鯨への包囲網が強まっている。日本は2年前にノルウェーと鯨肉輸入の協議を始めたが、国際社会の反発を懸念し、輸入再開の判断は棚上げしたままだ。アイスランドの水産会社社長は「クジラで譲歩すれば、次はマグロ保護論などへと際限なく拡大し、漁業が立ちゆかなくなる」と、日本に早期の決断を求める。
 アイスランドの捕鯨問題の責任者であるステファン・アウスムンドソンIWC代表は「日本が長期的にも鯨肉輸入をしないなら、アイスランドやノルウェーにとって捕鯨の利益は期待できず、今のようには捕鯨を重視しなくなる。そうなれば日本は捕鯨問題で孤立するかもしれない」と述べ、世界の捕鯨陣営の盛衰は日本の決断に大きく左右されるとの見方を示した。

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