経済サロン 【中国新聞ビジネスインタビュー 】

呉広域商工会(呉市)
 室沢喜洋会長(68)

 呉市と合併した旧8町をエリアとする呉広域商工会が、特産品の開発を意欲的に進めている。豊島産タチウオでだしを取ったラーメンが完成し、「新くれブランド」の開発も進む。一方、高齢化などで会員数が減り続ける厳しい現状もある。室沢喜洋会長に現状や課題を聞いた。

 ―豊島ラーメンの開発の経緯は。
 豊浜町で多く捕れるタチウオは、身だけ商品化して頭や骨は捨てていた。利用を考え、だしを取ることでめん類の開発につなげた。中小企業庁から800万円の補助金を受けて1年がかりで作った。おおむね好評だ。目指すのは全国展開。販路拡大のため商工会ホームページに載せ、見本市にも積極的に参加してPRしたい。

 ―特産品「新くれブランド」もユニークです。特長は。
 旧8町の産物を生かそうとした。町ごとに味を変えたシャーベット、薫製カキなど5種類。平焼きかまぼこでも下蒲刈町はヒジキ、豊浜町はタチウオを練り込むなど地域の特色を出した。

 ―地域の経済団体の役割をどう果たしますか。
 広島県内で最多の8商工会が合併。特産品開発などの仕掛けで地元を元気にし、会員の信頼度を高めたい。会員向け創業塾や商品開発セミナーの展開、観光資源の発掘も進める。 地元に支所は残ったが、商工会が遠くなったとの声を聞く。職員に巡回訪問するよう言っている。会員が何を考え、何を求めているのかを聞いて運営に生かしたい。

 ―会員数の減少が続いています。
 少子高齢化が進んでいる。個人事業主が多い会員も後継者がいない。自分が高齢化し、次々に廃業。昨年は1600人を超えた正会員が今は約1400人台。さらに減ると考えられる。どう対応するかは大きな課題だ。

 ―行政などにどんな支援を期待しますか。
 行政の補助金は毎年、1割カットで推移している。会員減少で会費収入も減り、現状の補助を維持してほしい。商工会も手数料収入の拡大などやれることはやっていく。

 ―地域の特色を生かした商工業振興策は。
 海や島の自然景観は日本でも多くない。何とか生かしたい。商工会はクルーズ船に売店を出しているが、個人的にはもう少し観光面で挑戦したい。全国から来てもらえる大和ミュージアムなどと一緒に、点を線にできないかと考えている。

(聞き手:渡辺拓道)